韓国遠征記 高内雄介(平成18年卒)
僭越ではございますが、この度、韓国遠征にOB代表として帯同させて
頂いた平成18年卒の高内(富士ゼロックス)が執筆させて頂きます。
文章の表現において至らぬ点が多々ございますが、どうかご了承ください。
■5月27日【出発前夜:懐かしのさすらい人で決起集会】
韓国遠征が明日に迫った前夜の事。
OBの大半(上村助監督、米山先輩、村木先輩、高内、小林、今村、田門)
は懐かしの南平寮に前泊した。私自身は実に5年ぶりの南平寮だ。
上村助監督から数日前に
『韓国へ出発する前に、OBだけで懐かしのさすらいで一杯どうですか?
次の日早いので本当に軽く飲みに行きましょう!!』
というメールが入ってきた。そのメール通りに、私も会社から南平寮
へ直行し、南平に到着後、ひとっ風呂浴びて、早々にさすらいに向かった。
・・・・・。
そこにあった光景はとても
『軽く飲みに行きましょう!!』
というような光景ではなく、7割方出来上がっている上村助監督が不動明王
のごとくそこに君臨されていた。
そこから約3時間は上村節が吹き荒れ、結果『重い飲み』になったのは言う
までもない。結局、南平寮の寝床についたのは午前3時頃。
成田行きのバスの出発時刻まで2時間もなかった…。
■5月28日
【出発:いざ韓国へ~観光とサムギョプサル。そしてミョンドン】
朝、事件は起きた。
決起集会組のOB全員寝坊(上村助監督、米山先輩、村木先輩、高内、
小林、今村、田門)。実に幸先のよいスタートだ。(笑)
成田で全員が集合し、いざ韓国へ出発。
皆、不安混じりの期待に胸を躍らせながら、日本を出国した。
2時間後、韓国へ到着。
元気なバスガイドのユンさんから『アニョハセヨ』という元気な挨拶から
始まった韓国観光。
世界遺産をいくつか観た後、ロッテ免税店を経て、若手OB(村木先輩、
石塚先輩、市原先輩、高内、小林、今村、田門)と学生でサムギョプサル
を食す。 サムギョプサルうまし!!
追加しようとしたが、ちょっと高めだったので、我慢。
写真提供:村木先輩
その後、韓国の繁華街・明洞(日本でいう渋谷)で街を散策し、再度焼肉
を食す。やはり観光地価格なのか、日本円でカルビが2,500円くらい。
少々お高い気もしたが、まあ、せっかく韓国まで来たのだからと
美味しくいただいた。
その後、石塚先輩(H14卒)、市原先輩(H17卒)、私でホテル近くの
繁華街を散策。そこで見つけた、深夜営業のアトラクション
『ディスコジャンプ』は凄まじい乗り物だった。
円盤型の乗り物で、円周の部分にイスがあり、複数人で乗る。
ベルトは無く、あるのは手すりだけで、高速回転、うねりを繰り返す。
遠心力も加わり、それに約10分も乗っている。
とても普通ではいられない。
それでいて料金は400円と良心的な値段だ。日本では安全性を考えて
絶対に許可がおりないだろう。恐るべし韓国。恐るべしディスコジャンプ。
明日は交流試合なので、その後、ホテルに帰り、床についた。
■5月29日【YONSEI大学と試合・・・そして飲み。】
二日目。
午前は観光。お昼は石焼ビビンバを食し、
写真提供:村木先輩
午後からこの遠征のメインイベントYONSEI大学
との交流試合。バスででかい門をくぐりキャンパス内に入る。
途中で降りて、道場まで徒歩。その時の天気は快晴。
空いっぱいに青の世界が広がり、まるで我々中央大学剣道部を歓迎してくれ
ているような清々しい天気だった。
程なくして、道場到着。みな着替えをして、戦闘モードに突入。
いざ試合・・・・・と思ったら、その前に・・・・・北原監督から
『昨日のYONSEI大学剣道部スタッフとの飲みでさ、
ぜひ追い込みをしてくれという要望を頂いたからさ、今日のアップはさ、
OBも混ざって、追い込みをしようと思うんだ。うん。うん。』
遠い異国の地、韓国でいきなり追い込みが始まった。きっと、韓国の方たち
は日本のアップは激しいんだなぁと思ったに違いない。
アップが終わり、開会式。そして待ちに待った試合だ。
学生同士の試合では中央大学が先手をとったが、YONSEI大学も韓国の
実力校なだけに、一瞬も気が抜けない試合が続いた。
中でも、インターハイ個人チャンピオン、現在3年生の山形の怪獣こと
村山仁君のキメと残心はただならぬ気迫とウザさを感じた。
またOBからみて、やはり4年生は安定していた。
(今年の関東、全日本が楽しみである。)
次にOBが9人選出されYONSEI大学のOBと試合をした。先鋒から順に
今村、田門、小林、高内、市原先輩、石塚先輩、村木先輩、米山先輩、
上村助監督でメンバーを組み、こちらも一瞬たりとも気が抜けない、
拮抗した試合が続いた。
試合が終わり、お酒の席までの時間、キャンパス内見学でYONSEI
大学の図書館にいった。
普通の図書館は本が置いてあるが、YONSEI大学の図書館は本が置
いていない。YONSEI大学の方曰く、全て電子化をしていて、PCで
本を見るのだという。恐るべし世界に誇るハイテク大学・YONSEI大学。
おっ!!YONSEI大学でCANONのコピー機、発見。
(おっと…。つい職業病が出てしまいました。申し訳ございません)
お酒の席。
とうとうこの時が来てしまった…。言葉の壁はもちろんだが、何より
韓国の方のお酒の強さが未知なので、恐い。
そうこうしている内にコップにビールが注がれ、もう飲むしかない。
『 건배! 』(コンベ:乾杯の意味)
この席にいる中央大学関係者全員が腹をくくった。
言葉の壁については日本語を話せる人も多く、あとは得意の英語(笑)
とボディランゲージでなんとかコミュニケーションがとれた。
国際派剣士の仲間入りを果たした瞬間だった。
(筆者は英検4級ですが、何か?)
食べ物も美味しく、韓国の方と『お酒』と『剣道』という2つの共通点で
気持ちも話しも盛り上がり、会場とそこにいる人達のボルテージは最高潮
に達した。
そんな中、ここで伝説のお酒が登場した。その名も『爆弾』。
このお酒を細かく解説する。
・『爆弾』
→ビールに焼酎とマッコリを足して割った飲み物。
→韓国では歓迎のお酒
無論この『爆弾』も『 건배! 』(コンベ:乾杯の意味)である。
この『爆弾』によって、完全に中央大学の面々は壊れ始めた。
恐るべし爆弾の破壊力。
皆、ヘベレケになりながらも、最後に両校による校歌斉唱とエール
交換を行い、中央大学とYONSEI大学が一つになった。
写真提供:米山先輩
写真提供:石塚先輩
写真提供:村木先輩
その後、学生とOBは別行動に。
両校のOBは二次会の居酒屋へ行った。
この二次会で村木先輩(H11年卒)の壊れっぷりに拍車がかかる。
村木先輩はいきなりマジックを披露したりとエンターテイナーぶりを発揮され、
完全にYONSEI大学OBを魅了していた。その勢いは凄まじいものがあった。
二次会の締めとして津村先生から
『来年はぜひYONSEI大学が中央大学へ来てください。
中央大学一同心よりお待ちしております』
という言葉がおくられ、来年の国際イベントが
『YONSEI大学、中央大学へ来校』
に決定した瞬間だった(本当に来てくれるのかな?)
そして三次会。(別な居酒屋にて)
気がつくと、先ほどまで怒涛の勢いがあったマジシャン・村木は戦闘不能
になり、端っこの方で潰れていた。ちーん・・・・。お疲れ様です、村木先輩。
そして私も視界がグルグルと回り始めた。
気持ち悪くなったので、外に夕涼みに行き、ベンチに座った。
『ちょっとだけ寝よう』
そう思ったら、気がつくと、三次会が終了していた。
だいぶ寝ていたようだ。
その後、優しいYONSEI大学の方がタクシーでホテルまで送ってくれた。
後ろの座席に座ったが、真ん中がYONSEI大学の方、両サイドが私と村木
先輩という最悪の構図だ。
タクシーがホテルに到着。降りた刹那、私と村木先輩の口から
『ミステリアスジェル』が解き放たれた。
送って頂いたのにも関わらず、タクシー代までもYONSEI大学の方に
支払って頂いた。
『本当にありがとう』
と心の中で御礼を言い、ホテルへ。
二人ともそのままバタンQで寝たことは言うまでも無い。
■5月30日【さようなら、韓国】
完全に二日酔いの私。
周りを見ると、私以外にも、今にも二日酔いで死にそうな学生、OBが数名。
二日酔いのまま、午前中の便で韓国を出国。成田空港へ着き、解散。
これで2泊3日の思い出深い韓国遠征の全てのスケジュールが終了した。
総括すると、
韓国遠征を通じて、剣道の素晴らしさを改めて実感でき、同時に
YONSEI大学の方達の温かさ、中央大学剣道部の学生とOBの固い
結束力(絆)を感じた遠征だった。
・言葉が通じなくても一度、剣を交えれば、心が通じ合い、
コミュニケーションがとれるということ
・YONSEI大学の方達の手厚い歓迎と私達に対する細かい気遣い
・学生、OBが一体となっての、2泊3日の遠征
YONSEI大学の皆様、本当に有難うございました。
来年はぜひ防具を持って、中央大学へお越しください。
最後に、この韓国遠征にOB代表として帯同させて頂きましたが、
参加者の中に私を選んで下さった、津村先生、北原監督、上村助監督に
深く感謝します。
また、OBに対して色々気配りをしてくれた学生の皆様に深く感謝します。
今後もOBとして、微力ながら、中央大学剣道部に貢献させて頂ければと
思います。どうぞよろしくお願い申し上げます。
(以上)
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