今年は、創部125周年の記念式典を開催しました。そして平成最後の年でもありますので、区切りの年として、支部のOBに思い出をつづっていただきました。
題して【裏・斌徳シリーズ】。
第一弾は愛媛支部から。
なお原稿を書いていただいたのが本年度のOB戦の前でしたが、本年度は既報の通り、熟年の部で種子先輩が前日練習で負傷しながら見事に優勝、成年の部がベスト16(代表戦で敗退)と、好成績を修められました。ご紹介が遅れて恐縮ですが、圭二先輩がいつも通りの文才を発揮されていますので、ご一読ください。
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中央大学剣友会愛媛支部 井上圭二(H6卒)
「中四国OB大会の思い出」をテーマに与えられました。
愛媛支部では、平成15年の高松大会以降、定期的にOB大会に参加。その名のとおり中四国のOBにもお声掛けし、全国大会にもこれまで2度の出場(成年・熟年各1回)を果たしていますが、今回は、第18回大会(平成28年@岡山市)での熟年の部初優勝に触れたいと思います。
主役は、先鋒・好井剛(62年卒/琴平高)、次鋒・若松信夫(56年卒/新田高)、大将・福崎基夫(56年卒/琴平高)の3名。
久々に「団体の中大」を発揮した戦いぶりを紹介します。
まず、好井先輩。大柄で前傾姿勢。「おいでおいで」と相手を誘い、出てきたら「ほらほら」と軽くかわす。やがて好井ワールドに引き込み一本をゲットする戦法で、見事なイケメン切り込み隊長ぶりを発揮。
次に、若松先輩。大会前に七段を取得し、その勢いもあってとにかく強かった。まず、技が豊富で、常に手数(二段打ち、三段打ちの連発)多く攻めるので打たれない。しかも、完全に「虚」を打っており、敵にしたくないタイプ。
そして、「元祖・引き分け男」の福崎先輩。今は痛風に悩まされているようだが、序盤から予定通りの引き分け。ふわぁ~とした剣風で、知る人曰く「昔と同じ」。ただ、勝ちが必須となった場面では、一転し、必殺「逆胴」が炸裂!六十歳目前に、逆胴を二本決めるのも珍しいが、その意表を突く中大らしさは実にあっぱれ。
かつて津村先生は、相手のオーダーを予測した選手起用に優れていた。それは、言い換えれば、それぞれ特技の違う仕事人集団を、まるで寸劇でもやるかのように役を与え、勝利に向かって精密にストーリーを仕立てること。この教えを徹底した三名の戦いは実に面白く、まさに「愉快なり」でした。
このほか、本大会では毎年色々なエピソードが生まれており、文字数の許す限り紹介します。まず平成26年の広島大会。
2014年12月13日(土)
この写真を撮影した後、篠田先輩(H15卒/松山北高)が、深夜ホテルの寝室でなぜか鼻を骨折し、試合場に辿りつくもホテルに袴を忘れる始末。その間も鼻血は止まることもなくティッシュを詰めての戦いに。これが功を奏したか代表戦でも勝利するなど大活躍し、初の全国大会の切符を手にしました。同じく、地元代表として登場した丸本先輩(H4卒/広高)は、前と後ろで色が異なるシャレた袴を身にまとい、「リバーシブル袴」という言葉の生みの親となりました。
平成27年は愛媛県松山市で開催されました。
2015年12月6日(日)/この写真をクリックすると、整列写真が表示されます
この松山大会では、数十年ぶりに出場した大塚先輩(H3卒/琴平高)が初戦でアキレス腱を断裂。「全然大丈夫よ。」と必死にアピールするも全く歩ける状況ではなく棄権。しかし、翌年の岡山大会では一勝一分と見事にリベンジしてみせました。
平成29年の高松大会では、私、井上弟(H6卒/新田高)が、初戦で早々一本先取するも左踵を痛めこれまた棄権。といった具合に、試合結果はともかく、タダでは終わらない、中大の芸達者ぶりをいまだに発揮しているといった状況です。
本大会の最大の魅力は、年に一度、中大の名を掲げ、戦える喜びにあります。私自身、大会前日に行われる合同稽古会では、必ず藤原崇郎先生(広島県)に稽古をお願いしていますが、いつも、「さすが中大剣道やね。」と言って頂けます。毎年良い結果を出せている訳ではありませんが、これからも「中大剣道」というオンリーワンを誇りに、ケガ無く、ナンバーワンを目指していきたいと思います。
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