昭和37年卒の原口先輩よりいただいた原稿から、1973年(昭和48年)
11月の大洋デパート火災(熊本)で、従業員だった剣道部の先輩、
一門幹郎先輩(済々黌高校出身)が亡くなられたということを知りました。
享年34歳。故一門先輩は、昭和37年2月に発行された「斌徳」復刊一号
に、次のような詩を遺されました。卒業を前に、書かれたようです。
森の都 商学部四年 一門 幹郎
熊本は森の都
樹々は緑の葉を付けて
路行く人に笑みかけん
紅染めし絵羽織の美しき人あり
菊にも似たる静かさは
樹々の間に消えいかん
熊本は森の都
幾星霜老い松の山並みに
若者の声響きたり
日傘さしたる絵姿の可憐な人あり
白蓮に似たる清らさは
遠き人となり行かん
熊本は森の都
雄々しき影の銀杏城に
遠き昔を唱いたる
『彼がかつて斌徳に寄せた作詩「水の都」は
水清き郷里熊本の風情を彷彿させて、強く胸を打つ』
<原口先輩の記念誌原稿より抜粋>
100年を振り返る中で、心豊かだった先輩や、同期を思いやる慈愛に
満ちた先輩の存在を知ることができること、とても光栄に思います。
Comment [1]
No.1千代里さん
父の大学時代の詩を、今、42歳となった私が目にすることが出来た事に、感動しています。ありがとうございます。
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